仕事の都合で、ニコン機を一式導入することになりました。
...といっても、最低限のシステムですけど。
んで、なにがよいかなあと調べていったら、D610がよさそうだなと。
所有の6Dと比べてみると、アレもコレもスペックが良くて、ニコンってスゲー!!
と、購入しかけていたのですが、そこに落とし穴。
比較サイト?というか、ブログで比較をされている方々の意見が一番参考になります。
いろんな意味で。
どうも、キヤノンユーザーでさえ、6DよりD610のほうがよいと。
私も見落としそうになりました。液晶がギャップレス、視野率100%、金属外装、
セパレート端子カバー、ストラップ吊環など、見れば見るほど、D610がよさそうです。
中身も素晴らしく、AF測距点やRGBマルチパターン測光など、ほぼすべての面で圧勝です。
...そう、「ほぼ」すべての面で...
それは、とても致命的なことでした。
我々の職業柄ということが多分に影響していますが、そのわずかに勝る6Dの長所が、
どうしても外せないポイントだったのです。
まず、スクリーン交換式。
使用頻度が極めて高い大口径の中望遠を核として、数本のレンズを携行していくわけですが、
85mmF1.2-1.8の許容錯乱円は、現在のAFセンサーでは物理的に測距しきれず、
おおむねかつ曖昧な結果しか出ません。そうです、MFするシーンがあるわけです。
85mmF1.2-1.8の深度では、コサイン誤差も無視できません。
6Dには、フルサイズkissといわれようが、大口径レンズ用のスクリーンが交換式で
用意されています。ニコンにはありません。
これがとても痛い。
いやいや、いくら許容錯乱円オーバーでも、セッティングで追い込めばオレはAFでイケル!
と思う方もいるでしょう。しかしそこに次の落とし穴。
測距点は少ないけど、中央のみですがF2.8対応、-3EV対応(これは全点?)のAFが可能。
MFは捨てられませんが、イベントホールでの記録など、暗いシーンで望遠という、
よくありそうなシーンでの撮影では、これがまた大きいポイントとなります。
それすら追い込んでしまうオレって素敵!と気合で乗り切る方もいるのでしょうか...
...いたとしましょう。
しかし、絶望的にどうにもクリア出来ない問題が、つぎに説明する最後のポイントです。
シャッターをきったら、相手に見せる、これ最初の礼儀。
とは言いすぎでしょうか、私はすべての撮影で、画像を確認していただいています。
担当者やお客様にタブレットを手渡し、シャッターを切った直後には、画像が転送されます。
すばやくレーティングなどでブラウジングしていただき、場合によってはメールで現場にいない
方に確認をとることもしばしば。
WFTが用意されていないことが、大きいマイナスだと以前にお伝えしましたが、
D610のそれは、同時記録の振り分け転送が不可能で、レスポンスが大きく低下しています。
6DのプアなWiFiには文句タラタラでしたが、D610は現実的な環境で他人に見せることが
不可能ということです。
一気にさめました。
...ちょっとだけ角度を変えてみると、現実が見えてきます。
一見するとアマチュアよりなスペックが実はプロ向けであった6D、
質実剛健な造りのD610は、万人のワガママに応えるアマチュア仕様だった...
ということになります。
皮肉を付け足すと、しぶしぶ使う6Dであって、プロよりスペックが上のD610ということに。
何を優先させるべきなのか、マーケティングをよく理解しているのはキヤノンでもニコンでも
同じだと思います。しかしながら、よく出来すぎたメーカーの思惑の中で、ため息が出るのは
購入台数の少ないプロだけという、なんとも言えないオチです。
